俺は、君のためにこそ死ににいく
2007/05/13(Sun) 21:47:14

俺は、君のためにこそ死ににいくを観てきました!!
公式ページ : http://www.chiran1945.jp/
監督 : 新城卓
製作総指揮・脚本 : 石原慎太郎
出演 : 徳重聡 、 窪塚洋介 、 筒井道隆 、 岸恵子 、 宮崎美子
昭和19年秋。太平洋戦争で不利な戦況の日本軍は、最後の手段として戦闘機に爆弾を搭載し、敵艦に体当たりする特別攻撃隊を編成。鹿児島県の知覧飛行場はその特攻基地となった。軍指定の食堂を構え、飛行兵たちから慕われていた鳥濱トメは、特攻に志願した彼らを引き止める事も出来ず、戦地へと赴く若者との別れを幾度も経験する。やがて終戦を迎えた日本で、特攻隊員の生き残りと遺族は思いがけない過酷な試練を経験する事になる。
公開初日に観てきました.特攻隊の母として有名な鳥濱トメさんの回顧録をもとに,陸軍特別攻撃隊を題材にしたヒューマンドラマです.
フィクションとは違って,実話に沿った物語なので淡々と話は進みます.だからストーリー自体の展開に感動するというものではないですが,俺よりも若い人たちも含まれている隊員ひとりひとりが背負っていた短くも尊い人生についての描写は素晴らしく,まだ大人への過渡期である青年達の複雑な思いがひしひしと伝わってきました.そして隊員の「死ぬ」ということについての捉え方.今我々が生活している中,「明日死ぬ」っていうことは到底現実的でないが,当時の青年達にとってはそれが日常であったことやまだ若い青年達が必死でその事実を受け止めていたことなど,色々考えさせられる深い作品だったと思います.特に,蛍になった河合が出撃前に言った一言.「俺まだ十九だから、後の三十年の寿命、おばちゃんにあげるよ.だから長生きしてな」おい!今の日本でこんなことが言える19歳,居るか??親にメシ食わせてもらっててよ,学校の講義適当にサボりながらサークルや合コンに精を出してるお前!時代は違えどそれじゃいかんのが分かるか!?小さな背中で日本を背負い,死んでいった者達の思いがお前らに分かるか?
トメさんの隊員に対する実の母以上の優しさにも感動しました.やるじゃねぇか,石原慎太郎!
キャストもまぁまぁ良かったんじゃないのでしょうか?特に窪塚が窪塚洋介を演じることなく,うまく映画にマッチしてたような気がします.何だかんだで,うまいですね.演技が.
一緒に行った7様は戦争関係を勉強していることもあり,一昨年一人で知覧の特攻平和会館を訪れ,特攻で亡くなった方の名簿や家族に宛てた手紙を隈なく見て,彼ら一人ひとりが抱えていたものを見てきたという強者なので,今回の映画に対しても思い入れが非常に大きかったみたいです.2時間19分の上演時間に対し,彼女が涙を流していた時間=2時間20分(終わってから1分後まで泣き続けた).
まず,はじまってすぐの,隊員たちが食堂で飯を食うシーンで横から鼻をすする音が.(あれ?鼻水止まらんのかな?)と思い,「どしたんや?」って声をかけようとした瞬間に彼女の頬には涙が.「えぇ〜!?お前,どーしたんや?」って聞くと,「なんか・・・もう・・・胸がいっぱいに・・・この人たち,みんな死ぬんよ・・・」とのこと.半分感心,半分呆れながらも映画を見る俺.
その後も彼女はずーっと泣きっぱなし.
エンドロールが始まっても泣きっぱなし.なんでエンドロールを見ながら泣いていたのかとあとで聞いたところ,エンドロールで映し出された写真の人たちがみんな亡くなったんだと思って悲しかったんだとか.映画の内容云々じゃなく,自分の勉強してきたものがこみ上げてきたようでした.アンチ石原の彼女も,今回の作品で見直したようでした.が,映画終わって数分後には「徳重聡が老けると石原良純になんじゃね〜」っておバカな感想を口にしていました.
戦争モノといえば戦争モノですけど,戦争の中の人間ドラマが描かれている素敵な作品だと思いました.とりあえず,この作品を見て戦争賛美だという感想しか出せなかった人は,ちょっと悲しいかな.




